西陣カーボンを使いたい! おすすめ用途3選
西陣カーボンは、西陣織とカーボン繊維両方の特徴を持っています。布のようで布ではない、金属のようで金属とは一味違う西陣カーボンの用途は幅広いです。今回は「西陣カーボンを使ってみたい」と思っても「何に使えるかわからない」という人に向けて、西陣カーボンのおすすめ用途を3つ選んで紹介します。
1.雅な空間を演出! 車の内外装
東京オートサロンの「VALENTI(ヴァレンティ)」のブースに展示された一台の車が注目を浴びました。真っ赤な車体に漆黒の西陣カーボンが光っています。西陣カーボンが使われている部分は一部ですが、着物に映える帯のように圧倒的な存在感です。
車のパーツは、西陣カーボンの特徴である「軽さと強さと形の作りやすさ」を最大限に生かした使い道と言えるのではないでしょうか。西陣織は、織り方によって特徴を変えることができます。厚みが出る織り方、柔軟性が出る織り方、模様をハッキリと出す織り方など、用途に応じた織り方を選ぶことができるのです。無機的な印象になりがちな車の内装に西陣カーボンを使えば、一気に雅な空間に変わります。
2.強くてきれい! ファッションアイテム
西陣カーボンは、すでに多くのファッションアイテムに使われています。西陣カーボンの強度をいかすことで、雪駄の材料としても使用されています。西陣織といえば帯という印象が強いですが、カーボン繊維と組み合わせることで摩擦に強い素材となり、帯だけでなく雪駄の材料として活用することができました。
ファッションアイテムのポイントは、すべてが主役にならないことです。引き立て役は引き立て役らしく、ひそかに光ることが求められます。西陣カーボンは、西陣織よりも控えめであり、目立ちすぎないところが用途の幅を広げているポイントです。
西陣カーボンは、和装の域も超えてカメラのストラップやビジネスバッグにも使用されています。西陣カーボンは、織ってからコーティングするのではありません。コーティングは簡単ですが、それでは緻密な凹凸が織りなす「織り」の美しさは感じられないでしょう。
西陣カーボンは、繊維自体を工夫することでデザイナーのイメージを形にします。「織り」を残した西陣カーボンは、光の当たり方によって柄の表情が変わります。ストラップやバッグは、ファッションのアクセントです。光によって表情が変わる西陣カーボンは、アクセサリーのような使い方にも向いているのではないでしょうか。
3.表現の可能性広がる! インテリア
西陣カーボンは、平面から立体まで対応します。今までは、インテリアは工業デザインの領域であり、西陣織はテキスタイルの領域でした。領域を超えたデザインは難しく、限られた範囲の中でデザインすることが当たり前だったのです。しかし、西陣カーボンは西陣織のテキスタイルの良さとカーボン繊維の強度、さらに異素材との組み合わせ方によって領域を超えた創作を可能にしました。
一般的にデザイナーは、今あるものから材料を探し創作を始めます。頭に描いたイメージにより近い材料をみつけることが作品の良し悪しを左右すると言っても過言ではないでしょう。西陣カーボンは、デザイナーの頭に描いた材料を一から作ることができます。どのような模様にするのか、どのような特徴が欲しいのか、糸1本から材料を作り上げることができるのです。
西陣カーボンは、インテリアの世界でも注目されています。西陣カーボンを使って作られたイスは、カーボンの黒色が西陣織と組み合わさることで漆を連想させる品を持ちました。西陣カーボンは、熟練の職人の手でひとつひとつ生み出されます。デザイナーが頭に描く完成図を形にする技術は西陣の職人だからできることです。
4.おわりに
西陣カーボンには、まだまだ新しい可能性があります。西陣カーボンを作り出す職人の技術は、デザイナーや新しいアイデアと手を結ぶことで作品として開花するのです。西陣織という歴史とカーボン繊維という最新技術を組み合わせた西陣カーボンを使って唯一無二の作品を作ってみてはいかがでしょうか。