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聞いてみたい! 西陣カーボンの疑問にスッキリ答えます

疑問解消|西陣カーボン

西陣カーボンに使われている「カーボン繊維」とは

西陣カーボンは、ファッション分野から自動車分野まで幅広く使われています。しかし、西陣織と比べれば新しい素材であり、疑問も多くあるかもしれません。今回は、西陣カーボンの疑問にスッキリ答えます。

1.西陣織のやさしさとカーボン繊維の黒色は合いますか?

西陣カーボンは、西陣織とカーボン繊維を組み合わせた新しい素材です。西陣織が持つやさしさや華やかさは、固く黒いカーボン繊維とは合わないのではと思う人も多いのではないでしょうか。

西陣織の特徴は、その華やかさと職人が手織りで織ることによって生み出されるやさしい雰囲気です。着物や和装小物として使われることが多い西陣織は、やさしい雰囲気が合っています。しかし、インテリアや自動車用品となると状況が変わります。やさしい雰囲気だけでなく、強度や加工のしやすさも求められるのです。西陣カーボンは、西陣織をカーボン繊維と組み合わせることで、強度と加工のしやすさの壁を越えました。

また、カーボン繊維の黒色は、西陣カーボンにメリハリを与えています。やさしさの中に引き締め効果のある黒色が入ることで、和洋問わずさまざまなシュチエーションにあわせられる素材となっています。

西陣の絹糸
西陣カーボンを使った椅子

2.西陣カーボンはどうやって作りますか?

西陣カーボンと西陣織

西陣カーボンは、西陣織の職人たちがひとつひとつ手で織り上げています。西陣織の模様をかたどるのではなく、西陣織の帯を織りあげる方法で西陣カーボンは作られています。そして、車の内装や旅行トランクにする場合は透明樹脂で表面をコーティングします。固める工程などは、外部の協力企業へ依頼をします。それぞれの工程をそれぞれの専門業者が担当することで、レベルの高い西陣カーボンを制作しています。

西陣カーボンはひと織ずつ織り上げる伝統的な作り方で制作しています。そのため大量生産が難しい素材です。工業で使われる素材というと大量生産されるイメージがありますが、西陣カーボンは工業的な要素をもった工芸品といえます。

西陣カーボン|織機

3.西陣カーボンと西陣織の大きな違いはどこですか?

西陣カーボンと西陣織の一番大きな違いは、使われている原材料です。西陣カーボンは、カーボン繊維とさまざまな素材を組み合わせて作りますが、西陣織は絹で作ります。そして、原材料の違いは用途の違いにも関係しています。絹だけで織られる西陣織は、布として使われることがほとんどで着物や帯に使われます。最近は、ネクタイやマフラー、パラソルや織額(絵を飾る額)にも使われ、時代に応じた製品を作っています。織物といえば和装の世界と思われがちですが、西陣織は日常の身近なものにも多く使われているのです。

西陣カーボンは、西陣織と同じ「織り」で作られますが、原材料に軽くて強いカーボン繊維を使っていることから工業分野で多く使われています。西陣織は平面として活用されることが多く、西陣カーボンは立体としても活用されています。

4.おわりに

西陣カーボンに対する疑問は新しい可能性を開くチャンスだと考えます。西陣カーボンの強みは、素材の組み合わせの自由度の高さと家々に伝わる織柄と生糸の仕入れです。西陣カーボンは、歴史の強みと積極的に新しいものを取り入れることで疑問やハードルをチャンスに変えて進化し続けるでしょう。

西陣カーボン試作|Nishijin Carbonの試作品を作る

5.おわりに

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