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西陣織ができるまで! 工程をわかりやすく解説②

西陣カーボン:伝統産業

西陣織ができるまで! 工程をわかりやすく解説②

西陣織は京都で昔から受け継がれてきた伝統的な織物です。完成までの工程は5段階20以上の工程があり、分業で行われています。西陣カーボンは、西陣織の工程を一貫して行うことでより柔軟な対応を可能としました。今回は、より西陣カーボンを活用するために西陣織の工程についてわかりやすく解説します。

前編見逃しの方は「西陣織ができるまで! 工程をわかりやすく解説①」こちらから

1.糸作り

西陣織は、糸も作ります。糸の色は家々に伝わる伝統です。ここからは、意外と知られていない糸作りについて解説します。

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撚糸とは、糸を加工することです。細かい糸の元を、ねじれをかけたりからませたりして強度を出します。ほとんどが手作業で行われる西陣織ですが、撚糸は機械に任せることが多くなっています。

西陣織は、染めた糸を使って織る「先染め」です。糸の色や染め方によって完成度が変わります。糸染めをきれいにするために、石けんと苛性ソーダで糸を煮ます。煮ることでたんぱく質の一部が取り除かれてやわらかくなるのです。

糸を染める顔料は、赤色と黄色と黒色の3色です。3色を使ってそれぞれの家に伝わる伝統の色を作りだします。職人は、色見本をみながらわずかな色の違いを感じ、顔料の調整をするのです。

2.織る

デザインと糸作りが終わったら、いよいよ織ります。ただ、西陣織は織り機を使って織るため、糸を織り機にかけることから始めます。ここからは、多くの人がイメージするカタンコトンと織り始めるまでの準備から完成までを丁寧に解説します。

西陣織|西陣カーボン

西陣織は、縦糸と横糸を使って織ります。縦糸を織り機にかけて整えることを整経といいます。西陣織は、帯ならば3千本から8千本の縦糸が必要です。糸作りで作った糸は、束になっています。織り機にかけるためには、糸を整経機にかけ、さらに千切という木の筒に糸が重ならないように巻き付けなければなりません。ここまでが整経です。

整経が終わったら、ジャガードにかける準備である綜絖を行います。ジャガードは、縦糸を持ち上げて横糸を通す機械です。フクオカ機業では、業界の中でもいち早く1902年にジャガード機を導入しています。

綜絖は、穴に糸を通したり、結んだりする作業を手作業で行います。

西陣カーボン|伝統産業

織り機には手機(てばた)と綴機(つづればた)と力織機(りきしょっき)の3種類があります。手機は、ジャガードを使って織る機械です。フクオカ機業では、3台のモーター駆動のシャガートを使って制作しています。

縦糸は、整経によって織り機に設置されています。職人は「杼(ひ)」と呼ばれている道具を動かしてひと織ずつ織ります。職人によってはひとりで50個以上の杼を持つこともあります。

3.おわりに

西陣カーボンは、西陣織を長年に渡って制作した経験から実現したものです。西陣カーボンに使われているカーボン繊維を織り機でそのまま織れば摩擦に負けてしまいます。フクオカ機業では、紹介した西陣織の細かい工程を一貫して行っています。糸や織り機の性格を熟知しているからこそ西陣カーボンを形にすることができました。

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